最終更新日 2025年6月10日 by michidoo
日本の原発問題と代替エネルギー
2011年3月11日、三陸沖でマグニチュード9の巨大地震が発生し、大津波が東北地方や東日本全域を襲いました。
死者や行方不明者は20,000人を超え、未曾有の災害を日本は経験しました。
ライフラインは絶たれ、今なお苦しむ人がたくさんいます。
その中でも特に問題となったのは、原子力発電所です。
福島第一原子力発電所を津波が襲います。
運転は緊急で自動停止しましたが、オイルタンクは流出、非常用電源が全て止まり冷却装置に水は入らなくなります。
使用済みの核燃料が入ったプールも冷却不能に陥り、核燃料棒はメルトダウンを起こしました。
炉内では水素が爆発、建屋はもちろん格納容器まで破損しました。
あたりには強い放射性物質が漏れ、近づくことすらできない状況が今も続いています。
震災があった直後から連日テレビやラジオなどを始めとしたメディアでは、現地の様子が繰り返し報道されました。
遠く離れた地域からでもその現状は見て取れ、力になりたいと多くの寄付が集められたり、実際に現場付近でボランティア活動に励む人もたくさんいました。
しかし、1年2年と過ぎるうちに報道は減り、人々の関心も少しずつ薄れていきます。
ただ、現場で苦しんだり心を痛めている人がいまだにいることを忘れてはいけません。
現地に行ってみるとわかりますが、仮設住宅で不便な暮らしを強いられている人や、放射性物質のせいで自分が住んでいた地域に近づくことすらままならないという人がたくさんいるのが現状です。
福島原発の現場ではアトックスなどのたくさんの企業が除染作業や原発の廃炉に向けて作業を続けています。
日本には、広いとは言えない国土に50基を超える原発があります。
原発は安全であるという刷り込み
そこまで原子力発電に頼った背景の一つが、原発は安全であるという刷り込みです。
政府や電力会社は、たとえ事故が発生した場合でも放射性物質は5重の防護設計により安全を担保できると繰り返し説明をしてきました。
稼働を止め、冷やし、閉じ込めることができるためというのがその根拠です。
しかし、東日本大震災で現実はそうはいかなかったことが証明されてしまいました。
地震には耐えたが津波が想定外だったという言い訳は、当たり前ですが通用しません。
もともと地震の多い国なので、今後も原子力発電所のある地域・周辺住民の不安が消える事はありません。
しかし、そこに至る背景はとても複雑です。
政府主導で原子力発電所が多く建設されるに至りましたが、放射性物質などの危険を伴う原発の誘致には、地域住民の反対がつきものです。
しかし一方で、通常の施策では考えられないような多くのお金の投入が約束されます。
手っ取り早く地域を潤わせ、活性化させることができるため、一定数以上の人が誘致に賛成し、反対派に圧力をかけたり懐柔したりすることでかくもたくさんの原発が建築されるに至りました。
発電所に関わる雇用の創出やたくさんの人が集まることで得られる経済効果など、魅力は多いです。
原発の危険性は震災のような地震や津波だけではない
原子力発電所の危険性は、震災のような地震や津波だけではありません。
原子炉を動かすとき、高レベルの放射性廃棄物の発生を避けることはできません。
いわゆる核のゴミです。
本来ならばこの恐ろしい廃棄物の最終処分方法を確立した上で原子炉を稼働させるべきです。
しかし日本では、完全に体制が整っていないまま稼働することが許されています。
放射性物質にはたくさんの種類がありますが、放射性廃棄物は、無害化するまで10万年以上かかるものもあります。
長期にわたって処分しなければならないと一口に言うには長すぎる時間です。
我々の子孫にも代々とこの負の遺産を受け継がせることに抵抗を抱くのは、自然な発想です。
原発に代わる発電方法に注目が集まっている
東日本大震災以降、日本でも原発に代わる発電方法に今までとは比較にならない注目が集まるに至っています。
たくさんの資源を消費する原子力発電や火力発電に頼るのではなく、風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーに対する期待は高まる一方です。
太陽光・太陽熱発電は近年世界中で技術の進歩が著しく、自宅の屋根にも設置できるなど割と身近な発電方法です。
しかし、大規模に行うためには広大な土地や晴天の続く環境も必要なため、日本では少しハードルが高くなってしまいます。
風力発電においても、年間を通して一定の風が吹きにくい日本では向いているとは言えません。
また、台風や落雷のリスクも考えなければいけません。
日本の特徴を生かした、自然エネルギーを使った発電方法として特に注目を集めているのが、地熱発電です。
日本は火山国で、地下には高温の地下水が豊富に広がっています。
地熱資源量も世界有数で、無駄なく活用できればかなりのエネルギーを得られると言われています。
高温の地下水から熱水や蒸気を取り出した上で発電し、再び地下に戻すため枯渇しないというメリットもあります。
天候や気象状況に左右されないのも、四季がある日本に向いています。
初期コストの高さや火山地域が国立公園などになっていることが多いという理由から、未だ普及しているとは言えない発電方法ではありますが、大きな可能性を感じさせてくれます。
原発に代わるエネルギーは、日本国民全体で考えなければならないテーマです。